おっしゃっていたとはどういう意味?尊敬語として正しい使い方を解説

「おっしゃっていたとはどういう意味?」

「どんなシーンで誰に使う?」

「相手に失礼のないよう正しい使い方を知りたい」

このような疑問にお答えします。

学校や仕事でよく使う「おっしゃっていた」という言葉があります。

よく耳にする言葉だと思いますが、意味や正しい使い方を知っていますでしょうか?

使い方を誤るとすると相手に失礼な表現となり、恥をかく可能性も(汗)

そこで、この記事では「おっしゃっていた」に関して掘り下げて分かりやすく意味や使い方をお伝えします。

具体的には以下のような内容になっております。

記事のポイント
  • おっしゃっていたの意味と原形
  • おっしゃっていたは謙譲語ではなく尊敬語である
  • おっしゃっていたの正しい使い方(es、上司、レポートなど)
  • 同じ意味の言葉と言い換え表現を紹介

おっしゃっていたとは?意味は?

「おっしゃっていた」は敬語の一種で意味としては「言う」「話す」に該当します

たとえば、以下のような使い方をします。

先生が「今日の一限目の授業は自習にする」とおっしゃっていた。

意味:先生が「今日の一限目の授業は自習にする」と言っていた(話していた)

漢字では「仰っていた」と書きます。

読みとしては少し難しい漢字ですね。

またおっしゃっていたは過去形なので、「おっしゃる」が原形となります。

話し言葉、書き言葉どちらで使っても問題ありません。

尊敬語?謙譲語?

「おっしゃっていた」は尊敬語になります。

尊敬語とは相手の行動に対して敬意を表す言葉です。

相手の行動を敬う表現として尊敬語を使用します。

よって、自分の行動に対しておっしゃるは用いません。

×:私は会議で決まったことを上司におっしゃった

では、どのように表現すれば良いのでしょうか?

この場合、謙譲語を使用すればOKです。

言うの尊敬語は「仰る」、謙譲語は「申す」を使います。

○:会議で決まったことを申し上げると△△となります。

謙譲語とは自分を下げる表現を使うことで、相手を上に扱う(敬う)言葉です。

へりくだるという言い方もします。

例文だと自分を下げて、上司を目上の人として扱う表現になります。

おっしゃっていたのビジネスシーンでの正しい使い方

「おっしゃっていた」という表現は尊敬語なので、目上の人と仕事をするビジネスシーンや学校内で先生に対してよく使う言葉です。

ここでは、話し言葉として会話の中での使い方、書き言葉としてes(エントリーシート)、レポート・作文などを例に正しい使い方を見ていきましょう。

es(エントリーシート)で使う際の例文

就職活動で使用するes(エントリーシート)は自分で考えて入力する書類ですが、社会人として敬語が正しく使えているかをチェックされるものでもあります。

具体的にエントリーシートでの「おっしゃっていた」について使い方を見てみましょう。

(例文)「HPを拝見し、御社の〇〇さんが△△△だとおっしゃっていました。」

エントリーシートはこれからあなたが就職したい企業の担当者に向けて出すものです。

当然、目上の方となり尊敬語を使用すべきです。

他にも以下のような例文が考えられます。

(例文)面接官の質問に対して、「おっしゃっていた通り、私はチームでの協力を重視し、共同で目標に向かって取り組むことができます」と述べました。

(例文)過去の職務経験について、「おっしゃっていたように、プロジェクトのリーダーとしてメンバーを指導し、スムーズな進行を図りました」と記載しました。

(例文)自己PRの中で、「おっしゃっていたように、柔軟な対応力と問題解決能力を持ち合わせており、困難な状況でも最善の解決策を見つけることができます」と述べました。

これらの例文では、面接官や応募先の方が以前に何かをおっしゃっていた内容に対して、自身がそれに応える形で述べることを示しています。

このようにエントリーシートでは応募先の要求や文体に合わせて表現を調整することが重要です。

上司や先生に使う場合の注意点

まずは上司への使い方を見ていきましょう。

(例文)「先日の会議で課長が○○○○だとおっしゃっていた」

自分より目上の人(この場合、あなたの上司である課長)が話すことに対して「おっしゃる」を用いています。

社内では上司に対して用いますが、社外の方にも当然、尊敬語を使います。

ただし、外部の人に向けて話す場合に注意が必要です。

たとえば、取引先の方と会話している際に、

「弊社の〇〇部長が先日の会議について△△だとおっしゃっていました。」

とは使いません。

なぜなら、取引先の方が部長より目上の方に該当するからです。

部長は社内の人間になるので、外部の方がより敬う対象として扱われる存在になります

あなたにとってはどちらも目上の方になるかも知れませんが、外部の方が優先されるべきだと覚えておきましょう。

よって、正しくは

「弊社の〇〇部長が先日の会議について△△だと申しておりました。」

となります。

また、学校の先生に対しても尊敬語の「おっしゃる」を使いましょう。

あなたが、生徒の場合はもちろん、同じ先生の立場であっても敬意を払う言葉は使うべきです。

レポートや作文で使う場合の例文

学校で書く作文で「おっしゃっていた」という表現を使用する例文を以下に示します。

(例文)先日の授業で、先生は人権の尊重が社会の基盤であるとおっしゃっていました。私たちは互いを尊重し、差別のない社会を築くために努力すべきだと感じました。

(例文)保健の授業で先生が話していたことを思い出しました。健康的な食事と適度な運動は健康に良い影響を与えるとおっしゃっていました。私はバランスの取れた生活習慣を心掛け、健康な体を保つために努力します。

これらの例文では、先生などから得た情報や教えを引用し、自身の意見や考えと関連付けています。

自分の立場や経験を補強するために他者の意見を引用することは、作文の質を向上させる助けとなります。

ただし、どこから引用したのかをきちんと示することを忘れないようにしましょう。

また、レポートを書く際に「おっしゃっていた」という表現を使用した場合の例文は以下のようになります。

(例文)先行研究によると、環境問題は私たちの未来に深刻な影響を与える可能性があるとおっしゃっていた(出典元△△, 2022)

(例文)過去の調査結果によれば、従業員の働きがいと満足度は生産性に直結するとおっしゃっていた(出典元××, 2021)

(例文)専門家の意見によると、社会的企業責任は企業の持続的な成功において不可欠であるとおっしゃっていた(出典元□□, 2020)

これらの例文では、「おっしゃっていた」という表現を使って、過去の研究や専門家の意見を引用しています。これにより、自身の主張や論文の根拠として他の研究者や専門家の意見を活用しています。

レポート作成で重要なポイント

レポートで引用した箇所を明確に示し、適切な出典情報を提供しましょう。

(例文だと、出典元△△、××、□□の箇所になります。)

どこからの情報を元にレポートを作成したのかしっかり記す必要があります。

レポートの信頼性と正確さを高めるために重要なので覚えておきましょう。

おっしゃっていたとおっしゃられていたは同じ意味?

「おっしゃっていた」と「おっしゃられていた」は同じ意味ではありません

「おっしゃっていた」は、尊敬語の過去形であり、相手の発言や行動を尊敬しながら過去の出来事として述べる際に使用されます。

一方、「おっしゃられていた」は、「おっしゃる」という動詞の受け身形の過去形です。これは、話し手が尊敬の意を込めて相手の発言や行動を受け止めるときに使用されます。

例えば、次のような違いがあります:

先生は「明日の予定をおっしゃっていました」と言った場合、先生の発言を尊敬しながら述べています。

先生のおっしゃられていたことによれば、明日は雨が降るそうです。

この場合、話し手は先生がおっしゃったことを受け止めている様子を表現しています。

つまり、「おっしゃっていた」と「おっしゃられていた」は、話し手の立場や意図によって微妙なニュアンスの違いがあります。

ですが、どちらも尊敬の意味は込められている表現です。

ひろっぴー
ひろっぴー

微妙な違いなので、そこまで神経質になる必要はないかと思います。

また、「おっしゃられていた」という表現は、「おっしゃられる」の過去形であり、

  • 「おっしゃる」という「言う」の尊敬語
  • 「れる」という尊敬語

この二語が重なり、いわゆる「二重敬語」となっています。

このような二重敬語は全体の2~4%の割合で使われていると言われています。

参考:「おっしゃられる」のような二重敬語はどのぐらい使われていますか

おっしゃっていただいたの言い換え3選

「おっしゃっていただいた」という言葉もビジネスシーンではよく使う表現だと思います。

ただ、少し回りくどい表現のようにも感じます。

もちろん使用することに問題はないのですが、言い換える表現が他にないか気になったので調べてみる事にしました。

「おっしゃっていただいた」の言い換えとして、以下の3つの表現があります。

  • おっしゃってくださいました
  • お話しいただきました
  • お伝えいただきました

状況によって使い分けることで、できる社会人として一歩リードできます。

参考にしてみてください。

「おっしゃってくださいました(仰ってくださいました)」の例文

  • 先生は私に対して親身になってアドバイスをおっしゃってくださいました。そのお言葉を胸に、私は頑張ることを決意しました。
  • 上司は新しいプロジェクトの指示を明確におっしゃってくださいました。私たちはその指示に従い、チーム全体で目標に向かって努力しました。

「おっしゃっていただいた」と同じく、相手の発言や指示を受けたことを敬意を込めて表現するものです。具体的にどの表現を使うかは、文脈や場面に合わせて選ぶと良いでしょう。

「お話しいただきました」の例文

  • 会議で専門家から貴重な意見をお話しいただきました。その意見を参考にして、プロジェクトの方向性を見直すことができました。
  • 先生から新しい教育手法についてお話しいただきました。そのお話しを聞いて、私は教育に対する新たな視点を得ることができました。

講演会の後に司会進行する場面などで、使われそうな言葉ですね。

専門家や先生、などから受けた話や情報を感謝と尊敬の気持ちを込めて述べています。

「お伝えいただきました」の例文

  • 会議で上司から重要な情報をお伝えいただきました。その情報を元に、私たちはプロジェクトの計画を見直すことができました。
  • セミナーで講師から貴重な知識をお伝えいただきました。その知識を活用して、私は自身のスキルや理解を向上させることができました。
  • 先輩社員からクライアントの要望をお伝えいただきました。その要望を適切に理解し、私たちはクライアントの期待に応えるための戦略を立てることができました。

これらの例文では、「お伝えいただきました」という表現を使って、他の人から情報や知識を提供してもらったことに感謝の気持ちを表しています。相手の貢献や協力に対して敬意を示す際に使用すると良いですね。

まとめ:おっしゃっていたは適切に使うことが大事!間違えると相手に失礼になるので注意

この記事のまとめ
  • 「おっしゃっていた」は「おっしゃる」の過去形
  • 「おっしゃる」とは「言う」「話す」の尊敬語
  • 尊敬語なので、相手の言ったことに対して敬意をはらう表現である
  • 目上の方に使用する言葉
  • ご自身の立場をよく考えて使うことが大事

「おっしゃっていた」という言葉を少し掘り下げて、仕事や学校生活に役立つ内容として記事にしました。

大事なポイントは「自分がどの立場なのか」をしっかり意識することです

「おっしゃった」という表現は誰かから聞いたことを別の人に話す場合に多く用いるかと思います。

その状況を踏まえた上で、自分より目上の方に対して「おっしゃる」という表現を使いましょう。

さらに伝えたい方がどのような立場なのかも頭に入れておきましょう。

(例)社外の方に向けて話す際、社内の上司がいったことに「おっしゃる」を使わない など

また、レポートや作文といった書き言葉として使う場合も同様に誰が、どの立場で発言しているのかに注意して使うようにしてください。

特にes(エントリーシート)のような外部の方が見る書類には失礼のないよう注意しましょう。

ただ、慣れてくると自然と使えるようになる言葉です。

この記事でお伝えした例文などを参考に使える場面でサッと用いることができたら、あなたは立派なビジネスパーソンです(笑)

少しでも参考になれば幸いです。